新公益連盟は10月11日に石川県金沢市にて臨時総会を開催し、従来の代表理事1名による運営体制から共同代表理事3名による運営体制へと移行し、小沼大地(NPO法人クロスフィールズ代表理事)、李炯植(認定NPO法人Learning for All代表理事)、渡部カンコロンゴ清花(NPO法人WELgee代表理事)が共同代表に就任することを決めました。また、多様なセクター・地域・活動分野を代表する7名の理事が新たに選出され、理事10名の体制へと移行しました。本総会を持って、これまで2期4年にわたって代表理事を務めた白井智子、2016年の団体創設以来8年にわたり事務局長を務めた藤沢烈(一般社団法人RCF代表理事)は理事を退任します。

今後の運営体制

区分 氏名(所属)
共同代表理事(3名)

小沼大地(クロスフィールズ)
李炯植(Learning for All)
渡部カンコロンゴ清花(WELgee)

理事(7名)

今村久美(カタリバ)
呉哲煥CRファクトリー
高橋由佳(イシノマキ・ファーム)
竹田和広(ウィルドア)
田中沙弥果(Waffle)
利根川裕太(みんなのコード)
松中権(グッド・エイジング・エールズ)

監事(1名) 鬼澤秀昌(BLP-Network・弁護士)

 新公益連盟は2016年の団体設立以降、NPOや社会的企業のネットワーク組織として、行政や企業とともに、セクターの壁を超えて共通のゴールを目指す「コレクティブ・インパクト」のアプローチを軸に様々な社会課題の解決やエコシステムづくりに取り組んできました。

 この8年間で様々な社会の進化があった一方で、社会課題の深刻化や複雑化はさらに進み、民間企業やスタートアップが積極的に社会課題解決をリードするようになるなど、ソーシャルセクターをめぐる時代背景は大きく変わってきています。また、NPOの活動に対する行政・企業・市民社会の期待は一層高まっており、NPOをはじめとしたソーシャルセクターの組織がそれぞれの強みを活かして社会に価値を届ける必要性はますます大きくなっています。

 こうした中で、新公益連盟は体制を移行・強化することにより、「NPOを中心としたソーシャルセクターのプラットフォーム」として、以下のような重点方針をもとに価値を発揮していくことを考えています。

 新体制下ではこのような現状を打破し、以下を重点テーマとして活動を加速していく予定です。

  1. NPO/ソーシャルセクターのリブランディングに向けた対話のリードと発信
    NPO等のソーシャルセクターを再定義し、現在の新公益連盟が目指す方向性を公表することにより、ソーシャルセクターの社会での認知度の向上を目指します。
  2. ビジネスセクターとの健全な協力関係構築と機能強化
    経済同友会、インパクトスタートアップ協会等の経済界との連携をさらに強め、会員・当法人と経済界との人材交流や新規事業の創設を目指します。
  3. これからのソーシャルセクターを担う次世代の育成
    先行している団体の経営や事業ノウハウを若手・新規団体へ承継し、より革新的な志向を持つ団体の増加、ソーシャルセクターへの人材流入を促します。
  4. 新公益連盟としての適切な運営と組織基盤強化
    事業を適切に拡大・加速化するために事務局体制の増強など組織体制の強化に取り組みます。

共同代表理事からのメッセージ

小沼大地(クロスフィールズ 代表理事)
新公益連盟が誕生して8年。この間にも、社会課題はさらに深刻化・複雑化し、その解決にあたる主体者も多様化するなど、ソーシャルセクターをめぐる環境は大きく変化しました。こうした時代背景のなかでNPOが社会でどのような役割を果たせるのか、今まさに問われているように感じています。心強い理事の仲間たちとともに、この問いに対して自分たちなりの答えを見出し、より良い社会をつくる一助になっていきたいと思います。


李炯植(Learning for All 代表理事)
さまざまな社会問題を抱える現代において、ソーシャルセクターの役割はますます大きくなり、また複雑化しています。Learning for All の活動からも1つの団体という枠を超えた、マルチステークホルダーの連携の必要性を長年感じてきました。新公益連盟の立場でも、これまで現場で実際に見て・聞いて・経験したことをしっかり活かしながら、これまで以上にセクターの連携や発展をリードしていきたいと考えています。


渡部カンコロンゴ清花(WELgee 代表理事)
原体験や偶然の出会いをきっかけに、社会に残された課題や構造の歪み、新しい未来のあり方に気づいた人たちが立ち上げる活動が日本にも多く存在します。しかし、その思いを事業化・組織化し、さらに継続していくことは決して容易な道のりではありません。領域や地域、フェーズが異なっても、真剣に熱く取り組む人々が繋がり、学び合い、頼り合える場としての新公益連盟を、皆さんと作っていきたいと思っています。