そのかものはしプロジェクトがインドで「コレクティブ・インパクト」の手法で問題に取り組んでいます。
かものはしプロジェクトは、「こどもが売られない社会をつくる」ことを目指し、もともとカンボジアで事業を実施していました。警察が動くことが児童買春問題の解決に直結するというカンボジアでの経験を元に、2012年よりインドにて、現地の約10のパートナーNPOと一緒に、児童買春の被害者「サバイバー」 支援と、行政側へのキャパシティビルディング や政策提言の2つの支援を行っています。かものはしプロジェクトは、課題全体を俯瞰し、全体の戦略策定を担う他、各関係者の声に耳を傾け、対話する場を設けるなど、ボックボーン的役割を担っています。
かものはしは「システムの声を聴く」「システム全体として、事象を捉えなおす」など「システム思考」を元に児童買春問題を捉え直し、活動していることが伺えます。システム思考とは、解決すべき対象や問題を「システム」として捉え、変化にもっとも影響を与える構造を見極め、さまざまな要因のつながりと相互作用を理解することで、問題解決を目指すための働きかけです。かものはしプロジェクトとパートナーNGOでは、児童買春問題を加害者と被害者という単純な構図で理解するのではなく、各関係者の価値観や役割を、対話を通じて理解し、システム全体としてあるべきそれぞれの役割を見出すことができるような場を作る努力をしている、ということでした。そのために、システム・コーチングなど対話を促す手法を使っており、それによって起きた変化には数多くあります。
かものはしプロジェクトの活動は、システム思考で課題を捉え、各関係者のメンタルモデルを変えていくこと、すべての関係者がシステムの一部であるという感覚を共有し、彼らが課題解決のために本質的な動きをすることを促しています。
コレクティブ・インパクトをシステム思考の考え方を通してみてみると、コレクティブ・インパクトの5つの特徴のうち、「共通の議論課題」、「互いに強化し合う活動」、そして「継続的なコミュニケーション」が挙げられていることも改めて納得できます。
詳しくは日本ファンドレイジング協会の松田さんが書かれたこちらの記事をご覧ください。