新公連加盟団体であるNPO法人クロスフィールズは、企業のエグゼクティブが、日本の様々な社会問題解決に取り組むNPOや社会的企業の経営支援に参画するプログラム「Executives For Change(EFC)」の事業を開始します。これまで接点の少なかった、日本の大企業の経営者とNPOとをマッチングするとともに、約半年間にわたって行われる協業プロジェクトをサポートしていきます。今年度はNPO/社会的企業5団体に7名の大企業経営陣が経営参画し、約5ヶ月間にわたって協働プロジェクトを行います。



●背景とねらい

「Executives For Change」のねらいは、受入側のNPOや社会的企業にとっては「経営改善と事業推進」、参加するエグゼクティブにとっては「新たな視座の獲得」という二つの”Change”を生み出すことです。

NPOや社会的企業の経営においては、収益化が難しい社会課題の解決に取り組むがゆえに、経済的に持続可能な事業戦略を描くことの難しさや、経営資源や財源の不足が課題となるケースが多く見受けられます。そのため、大企業の経営幹部が持つ豊富なスキル・経験・ネットワークをNPOや社会的企業が吸収することは、団体が生み出すインパクトを飛躍させる強力な推進力となります。一方、企業に属するエグゼクティブ・ミドル層にとっても、自社がイノベーションを生み出すための新たな視座を得る機会であると同時に、「人生100年時代」における自身のキャリア構築や学び直しのニーズに応えることが出来るプログラムです。



経営支援に参画する大企業経営陣(事前オリエンテーションにて)



協働を行うスリール株式会社の堀江敦子社長は「今までの自分達のやり方に囚われず、エグゼクティブの方のアドバイスをもとに社会へのインパクトを更に加速させたい」と、NPO法人シュアールの大木洵人代表は「社会課題に取り組むからこそ難しい経営や組織の課題を、コラボレーションによって解決出来たら」とプログラムに対する期待の声を寄せています。

また、プロジェクト開始に先立って行われた参加者向け事前オリエンテーションでは、株式会社リクルートマーケティングパートナーズ山口氏は「社会課題に取り組むNPOの葛藤を学び、自分の知見や企業のナレッジと組み合わせることで、社会と事業を繋げる一助になりたい」、株式会社NTTドコモ大野氏は「会社の看板を外して一個人として何が出来るのか、現場で課題を自分の目で見ながらアプローチを考えてみたい」と語りました。

●今後の展開

今年度は、一人の参加者が一団体の経営支援に取り組む単独型のプロジェクトを4案件、三人一組でプロジェクトを組むチーム型のプロジェクトを1案件実施します。10月後半から約5ヶ月間にわたり、隔週~月1回のペースで受入団体と参加エグゼクティブとが打合せを行うことを通じ、それぞれの経営課題の解決に取り組みます。プロジェクト期間が終了する2019年3月頃には成果報告会を予定しています。

なお、今年度のプロジェクトは経済産業省の公募事業である「未来の教室」実証事業の一つとして実施しています。これまで若手ビジネスパーソン向けに社会課題解決プログラムを展開してきたクロスフィールズでは、今後経営幹部向けの取り組みを強化する方針であり、今回の取り組みの結果を踏まえ、来年度以降に本格的な事業化を目指していきます。

本件に関するお問い合わせ先:
NPO法人クロスフィールズ(担当:竹内)03-6417-4804 info@crossfields.jp